地域鉄道フォーラム2016「地域鉄道の価値を考える」の開催

一般社団法人交通環境整備ネットワーク主催/国土交通省鉄道局後援
         地域鉄道フォーラム2016
         -地域鉄道の価値を考える-

 地域鉄道は、地域にとってどのような価値を持っているのでしょうか。
 私たちの身近な地域鉄道、その価値は何であるか、あらためて考え、問い直します。
 地域鉄道フォーラムは、地域鉄道の現状と課題の理解を図りその活性化に資することを目的として、平成21年より毎年開催してきており、本年で8回目となります。

期 日:2016年(平成28年)6月11日(土) 13時00分~15時15分
場 所:東武博物館ホール
参加人員:134名
プログラム
   1.来賓あいさつ 国土交通省鉄道局鉄道事業課長 大野 達氏
   2.基調講演 「地域鉄道の価値を考える」
          関西大学経済学部教授       宇都宮浄人氏
3.トークセッション「地域鉄道の価値とは」
    コーディネーター/関西大学経済学部教授     宇都宮浄人氏
        芝浦工業大学工学部教授         岩倉成志氏
        愛知学泉大学現代マネジメント学部講師  田中 人氏
        国土交通省鉄道局技術企画課技術開発室長 岸谷克己氏
        水間鉄道株式会社会長          関西佳子氏
        鉄道アーティスト            小倉沙耶氏
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登壇者のプロフィール
 ポスター

講演録概要

 、国土交通省鉄道局後援・一般社団法人交通環境整備ネットワーク主催の地域鉄道フォーラム2016「地域鉄道の価値を考える」を平成28年6月11日(土)東武博物館ホールで開催しました。
1.来賓あいさつ  国土交通省鉄道局鉄道事業課長 大野 達氏
 はじめに、来賓の国土交通省鉄道局鉄道事業課長の大野達氏からご挨拶と地域交通の現状について説明をいただきました。
鉄道の価値を感情論ではなくそれを超えた理屈が支援には必要であることをご指摘いただきました。

2.基調講演 「地域鉄道の価値を考える」  関西大学経済学部教授       宇都宮浄人氏
 関西大学経済学部教授宇都宮浄人氏より「地域交通を考える」と題した基調講演が行われました。鉄道の価値は、「移動」だけでなく、「社会的便益」を考えること、便益には「存在価値」、「オプション効果」や「イメージアップ効果」等があること、「ソーシャル・キャピタル」の視点で定量的な分析を試みた結果、交通が人の行動、人との関わりに影響を及ぼしていることを教示いただきました。

3.トークセッション
 「地域鉄道の価値とは」をテーマに、宇都宮浄人氏がコーディネーターとなって芝浦工業大学工学部教授岩倉成志氏、国土交通省鉄道局技術企画課技術開発室長岸谷克己氏、愛知学泉大学現代マネジメント学部講師田中人氏、水間鉄道株式会社会長関西佳子氏、鉄道アーティスト小倉沙耶氏によるトークセッションが繰り広げられました。(以下、敬称略)
◯岸谷克己 -マニュアル作成の経緯-
 費用対効果分析のマニュアルは、鉄道プロジェクトの価値を「数字で表す」、「見える化する」もの。平成9年にマニュアルを作成して以来、数次にわたって改良を行なってきた。
◯岩倉成志 -マニュアル作成にあたっての留意点-
 地域鉄道の価値が大きくなるのには、沢山の利用者が乗って、所得も高い状態で、バスの所要時間はとてもかかり、鉄道は高サービスとなっている状態にほかならない。鉄道沿線の土地利用を変えていく、鉄道会社同士の連携も大切なポイント。
◯田中 人 -ソーシャル・キャピタルの視点-
 ソーシャル・キャピタルとは人と人とが顔が見える関係。それはコミュニティと大きく関わり、その語源は「共に贈り物をし合う」というもの。その互酬性が薄れると信頼性、地域の規範も下がる。人々の顔が見える関係に戻すことにより価値が生まれる。
◯関西佳子 -鉄道事業の現状-
 高度成長時には400万人の利用者があったが、3年前には半分以下の186万人まで減少、現在190万人強。自分は乗らないけれど電車がなくなっては困ると言われる方が多くその乖離を埋めていくことと事業者自身の努力が必要。
◯小倉沙耶 -人がつながる、人をつなげる-
 列車の中では沿線の友と出会うことができて人と人のつながりが生まれ、一方、外部から乗車した方にはSNSを使ってこちらから乗車の御礼を発信することによってまた新たな人とのつながりが生まれ、それが地域にもつながっていく。
◯岸谷克己 -街にとって鉄道が使いづらいものであってはならない-
 地域鉄道の価値は不安定なところにあって、街にとって鉄道が使いづらいものになっている場合がある。何もしないと鉄道がどんどん街から置いてきぼりになる。そのことを多くの方が気づくことが大事。
◯岩倉成志 -ソーシャル・キャピタルの姿-
 ソーシャル・キャピタルができているところは、利用者数が増えるはず。利用者との関係では、三陸鉄道は究極のサービス水準であったことで地域の人達は鉄道会社の方を向いた。
◯田中 人 -近代化のなかでの鉄道と映画-
 鉄道こそが近代を生み出し、近代を牽引してきたが、近代化が進む過程で合理化が起こった。近代化の中で鉄道と似ているのが「映画」で、テレビ等の発達で映像が個人化されていく一方で映画館は残り、むしろ輝きを増している。近代における映画のようなメディアや、他のシンボリックなものと鉄道を比較して考えてみるのも良い。
◯小倉沙耶 -シンボル性もひとつの価値-
 駅や線路はシンボルになり得るもの。鉄道は普通の地図にも線として載り、これも価値となるのではないか。
◯関西佳子 -吾がの鉄道-
 鉄道が背骨で、コミュニティバスが市域の八割ほどを八の字を描くように補完をする形が完成。「吾(あ)がの鉄道」として前進させる。
◯岩倉成志 -価値ある社会に-
 モータリゼーションが進み、結果、鉄道が取り残されてしまった。皆が輝ける、それぞれの特性が活かせる社会をつくりあげていくことが必要。
◯岸谷克己 -存続は危うい、まずは役場の理解-
 地域鉄道の存続は危うい。その危機感を役場の担当者に持ってもらいたい。鉄道がすでにある市町村は、鉄道がない市町村に比べて大きなアドバンテージを持つ。
◯田中 人 -成熟社会に求められる姿-
 一度失ったときに何が残るかを逆算して徹底的に考える必要がある。多様なオプションが用意されることこそ成熟社会に求められている姿ではないか。
◯小倉沙耶 -市民電車に-
 鉄道の価値を市民が納得している市民電車が理想。
◯宇都宮浄人 -まとめ・攻めによる価値の創造に向けて-
 鉄道は、その利用者数を考えたとき他の公共施設とはレベルが違う。そこでの価値を学び知っていく必要がある。新しく敷設、延伸し、その価値を創造するといった攻める機運を期待。
講演録の詳細版はこちらから 講演録へ 詳細講演録(pdf,1902KB)

参加記念券

地域鉄道フォーラムの参加者には、限定の硬券参加記念券をお配りしました。  ポスター



ポスター

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