
地域鉄道フォーラム2017「写真と詩で伝える鉄道の魅力」の開催
一般社団法人交通環境整備ネットワーク主催/国土交通省鉄道局後援
地域鉄道フォーラム2017
-写真と詩で伝える鉄道の魅力-
鉄道写真家は何をとらえ、どのように鉄道の魅力を伝えようとしているのか、さらに鉄道写真に詩を組み合わせることによる表現の可能性について広く論じていただきました。
また、東武鉄道における半世紀ぶりのSL復活運転に向けたこれまでの取り組みとSLによる観光活力創出への期待をお伝えしました。
期 日:平成29年6月10日(土) 13時00分~15時00分
場 所:東武博物館ホール
東京都墨田区東向島4-28-16 TEL 03-3614-8811(代)
参加費:138名
プログラム
1.来賓あいさつ 国土交通省鉄道局鉄道事業課長 大野 達氏
2.基調講演 「写真で伝える鉄道の魅力」 鉄道写真家 米屋こうじ氏
3.特別講演 「SL復活運転、日光・鬼怒川に新たな魅力を」
東武鉄道株式会社 SL事業推進プロジェクト課長 守都正候氏
4.トークセッション「地域の鉄道、写真と詩による表現の可能性」
コーディネーター/鉄道写真家 米屋こうじ氏
鉄道フォトライター 矢野直美氏
鉄道アーティスト 小倉沙耶氏
詩人・社会学者 水無田気流氏
講演概要
講演録の詳細版はこちらから
詳細講演録(pdf,1316KB)
1.来賓あいさつ ご来賓の国土交通省鉄道局鉄道事業課長の大野達氏から、沿線観光地への訪日外国人旅行者誘客の一助となるよう、駅や車両の案内表示の多言語化やWi-Fi環境の整備等新たな支援措置に取り組んでいること、鉄道の魅力を伝える方法について共に考えていきたい、とのごあいさつをいただきました。
2.基調講演 鉄道写真家の米屋こうじ氏から「写真で伝える鉄道の魅力」と題して基調講演をいただきました。
前半では、鉄道写真は今日注目されている分野であることや鉄道と写真のそれぞれの誕生は歴史的に近い位置にあったこと、我が国の鉄道写真は明治から始まり、当初は記録的要素が高かったこと、その後の今日に至る鉄道写真家たちの歩みを、作品を示して説明いただきました。後半では、良い鉄道写真を撮るポイントを教示していただきました。
3.特別講演 東武鉄道株式会社SL事業推進プロジェクト課長の守都正候氏から「SL復活運転、日光・鬼怒川に新たな魅力を」と題して特別講演をいただきました。
東武鉄道がSL復活運転を行うきっかけ、その目的は何か、そして開業へ向けてのこれまでの取り組み状況のお話しをいただきました。「いっしょに、ロコモーション」のキャッチフレーズの元、地域と連携して心のふれあいも生まれるようにと、皆さんのお迎えができる準備を整えているとのことでした。
4.トークセッション
トークセッションは、「地域の鉄道、写真と詩による表現の可能性」について、鉄道写真家の米屋こうじ氏がコーディネーターとなって、鉄道フォトライターの矢野直美氏、鉄道アーティストの小倉沙耶氏、詩人・社会学者の水無田気流氏によるトークが展開されました。(以下、敬称略)
-写真と文章で、どのように表現するかについて-
矢野直美
写真を撮る時は被写体に対する気持ちや愛が必要。
鉄道の文章には地名、駅名等漢字が多くなることから、ひらがなにできるものはひらがなとし、出来上がりの「字面」を考える。方言は文化であり、取材の際にはよく聞き取り活字にしたいと考えている。
小倉沙耶
SNSへ写真を投稿する際は、本当に出して良いものか、一旦出す前によく見てみる。
形式的な写真よりも旅情感を盛り込んだものを大切に。
写り込む人に対しての配慮が必要で、そのためにはフォーカス機能を使うことも有効。
-写真に詩を添える実践解説-
水無田気流
「ポエムチック」なものは今流行っている。
あまりにも叙情性をコピーにしようとした結果を、私は「マンポエ」と呼ぶ。マンション広告のコピー文章で見られる「マンションポエム」のことで、言葉の叙情性、ポエジーがバーゲンセールになってしまっており、これは避けたい。
鉄道に言葉をつけるムーブメントを「ヨミ鉄」と宣言する。
ヨミ鉄は、「効率的な生活からの離脱」を経験し、「スピードよりタイムリッチ」を重視し、「土地の記憶めぐり」という側面に立てば「時間と情動を楽しみ」、それが旅情となり、詩情となる。
-写真と詩による表現の可能性について-
矢野直美
言葉は研磨して推考していくものと、一方でダイレクトな一言にもそれの持つ魅力がある。
写真と詩、そして音楽と、一緒になって鉄道に関わっていくことに多くの可能性があると感じる。
小倉沙耶
写真と文章の二つが重なった時心を奮い立たせる。それは二つの持つ力が合わさったからこそではないか。
一枚にかける情熱や愛情が込められた写真に、さらに一言添えることで、ぱっと華やぐ。
水無田気流
鉄道は、近代化の中で生まれていった詩の表現として、実は元から相性が良い。
言語芸術表現では愛情が余りすぎる言葉だと「マンポエ」の世界になってしまう。言葉の表現では全部を言い切ること無く、引き算を考えるべき。
-まとめ-
米屋こうじ
写真にしても文章にしても愛情がないと伝わらない、その反面そのさじ加減が大切と感じる。
本年鉄道写真に詩を添える「鉄道写真詩コンテスト」が開催され、結果に期待したい。
講演録の詳細版はこちらから 詳細講演録(pdf,1316KB)
登壇者のプロフィール

参加証明書
フォーラム参加者には、記念の特製硬券参加証明書を配布いたしました。

ポスター
