タイトル

セミナー・トレイン -路面電車のある街・豊橋-の開催

一般社団法人交通環境整備ネットワーク主催
 1925年(大正14年)開業の豊橋鉄道の軌道線・東田(あずまだ)本線は、豊橋市民から「市電」と愛されて90余年。
 そのあゆみと魅力そして未来を探りました。

○期 日:平成31年3月9日(土)13:00~17:00
○集合場所:豊鉄ターミナルホテル9階 多目的展望ホール「オーロラ」
      13時集合・受付
      〒440-0888 愛知県豊橋市駅前大通一丁目46番地1(豊橋駅東口より徒歩1分)
○参加者数:25名
プログラム
講演の部 13:10~14:45(豊鉄ターミナルホテル9階 多目的展望ホール「オーロラ」)
 13:10 セミナー開始 司会 鉄道アーティスト 小倉沙耶様
 13:15 ごあいさつ 豊橋鉄道株式会社鉄道部 部長 梅村仁朗様
 13:25 講演1:「市電 過去からら未来へ」とよはし市電を愛する会顧問 伊奈彦定様
 13:55 講演2:「路面電車-社会学からのアプローチ」社会学者・愛知学泉大学講師 田中 人様
 14:25 質疑
 14:45 講演の部終了
見学の部 14:45~17:00 (豊橋鉄道赤岩口車両区)
 14:45 駅前に移動
 15:13 豊橋鉄道東田本線「駅前」乗車
 15:35 「赤岩口」到着 赤岩口車両区見学
 16:20 「赤岩口」乗車
 16:41 「駅前」到着
 17:00 セミナー終了・解散

プロフィール(敬称略)

伊奈彦定 Ina Hikosada
とよはし市電を愛する会顧問。豊橋市内小中学校勤務を経て、愛知教育大学非常勤講師、愛知創造大学短期大学非常勤講師等教育者として活動後、地元の文化振興に関わる。「路面電車のある風景」をライフワークとして、50年以上にわたって豊橋市電とその風景を描き続ける。前「とよはし市電を愛する会」会長。

田中 人 Tanaka Masato
社会学者、社会哲学者。早稲田大学助手を経て亜細亜大学、立教大学、 慶應義塾大学などにおいて教鞭をとり、地域コミュニティの再生やまちづくり、新しい地域創造の方法論について独自の観点から論評を行なっている。著書に『甦るコミュニティ』(共著、文眞堂)『ボランティア論』(共著、ミネルヴァ書房)など。みよし市総合計画審議会委員。2015年より愛知学泉大学現代マネジメント学部講師。

小倉沙耶 Kokura Saya
2002年より「鉄道アーティスト」として活動を開始。鉄道イベントの企画・司会や講演、執筆を行うとともにFMラジオのメディアスエフエムで、気になるカルチャー・「小倉沙耶の鉄道物語」のパーソナリティを務める。
モットーは、「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。一般社団法人交通環境整備ネットワーク会員。

セミナーの模様

○講演の部
 鉄道アーティストの小倉沙耶様の司会により講演の部がスタート。
 はじめに豊橋鉄道株式会社鉄道部部長梅村仁朗様よりごあいさつを頂戴し、来年が開業95周年を迎えること、東田本線が豊橋鉄道のルーツであることのご説明をいただきました。
 続いてとよはし市電を愛する会顧問の伊奈彦定様より「市電 過去から未来へ」と題して講演をいただきました。
 伊奈様はこれまでライフワークとして市電と豊橋の街の変遷を描き続けてこられました。描かれた市電と当時の人々の様子、街の佇まいについて、詳しい解説を頂戴しました。戦後の焼け野原に市電が動き始めたことが市民に希望を与えたこと、常に市民の生活の中に市電があって、市電を愛する会が生まれ、近年ではほっトラム導入の際にも市民の応援の力が極めて大きかったことなどをお聞きをし、「市電」として愛され続けている理由を知ることができました。
 さらに伊奈様からは未来の予想絵が示されました。バッテリートラムによる路線延伸案、新幹線下を通って東西地域を結ぶ案や、更に未来にはリニアモーター技術を活用して前後左右自在にゆっくりと動くことのできるガイドウエイキャビン構想の実現への期待を示されました。
 社会学者、社会哲学者である田中人様からは「路面電車-社会学からのアプローチ」と題してご講演をいただきました。
 社会学sociologyは、「つながりの論理」で、あらゆるつなぐものが社会学のテーマとなり、路面電車もその対象となること。合理主義によって、自動車の方が利便性が高いとして多くの都市で路面電車がなくなっていった。まさにアメリカがそうであったが、そのアメリカでは近年多くの州、多くの都市で復活がされており、オレゴン州のポートランドでの営業キロは110キロに及んでいる。TOD(Transit Oriented Development)の考えに基づくもので、その運営費用のうち運賃での負担は2割ほどであとは税金で賄われている状況にある。そのBID(Business Improvement District)の考え方は、残念ながら我が国ではまだそこまでの同意を得るに至っていないが、今後「スロー」は大切なキーワードであって、街の回遊性を高めるためにもパークアンドライド等総合的な街づくり、路面電車や他の交通手段とのベストミックスを探していく必要があるとの指摘を頂戴しました。また、併せてつながりの大切さ、公共性をビルトインして将来の人口減に対応していくのには、アメリカやヨーロッパの実例に多くのヒントがあるのではとの示唆をいただきました。

    (司会)小倉沙耶様  (ごあいさつ)梅村仁朗様   (講演1)伊奈彦定様
   (講演2)田中 人様     講演会場風景   全員で記念写真を撮りました


○見学の部
 市電に乗り赤岩口車両区に移動、車両やピットのほか、1880年代のめずらしいレールの数々が現役で使われていることをご紹介いただきました。
 市電の運行状況はウエブ「のってみりん」でリアルタイムにわかります。

当日のプログラムはこちらから(PDF)

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